
リゾコム編集部
熱海の地価公示には+14%超の上昇地点が出る一方、物件の選別は厳しくなっています。リゾートマンション中心の熱海、戸建て・古民家の湯河原・真鶴それぞれの売れる条件、温泉権の名義変更料の整理、相続登記まで、リゾート専門の宅建保持者が実務ベースで解説します。

「親が持っていた熱海のマンション、管理費だけ払い続けている」「湯河原の別荘、そろそろ手放したい」——熱海・湯河原エリアの売却相談は、リゾートマンションから古民家まで物件の幅が広いのが特徴です。
先に市場の結論をお伝えすると、熱海はいま「売りやすい市場」です。ただし、高く売れる物件には条件があります。地価の上昇が続く一方で、買い手の選別基準ははっきりしており、その基準に合致する条件を備えているかで結果が分かれます。この記事では、売却全体の流れ(別荘売却ガイド参照)を熱海・湯河原・真鶴に引きつけて解説します。
2026年(令和8年)の地価公示を地点データで見ると、熱海市内の住宅地の標準地で前年比+4.6%[1]、熱海駅前の商業地では+14.6%[2]と、住宅地・商業地の双方に上昇地点が出ています(各標準地のデータは国土交通省の不動産情報ライブラリで誰でも確認できます)。移住・二拠点ブーム以降の「熱海人気」は一過性で終わらず、地価にも表れている状況です。
ただし現場の実感として、この上昇は限られたエリアと物件にのみ見られると言えます。駅徒歩圏・海側眺望・管理の行き届いた物件に買い手が集中する一方、山側斜面の築古物件や月々のコストが重いリゾートマンションは、価格を下げても時間がかかる——熱海はこの二極化が全国で最も鮮明なエリアのひとつです。
買い手は大きく3層です。
熱海の売却物件の主役はリゾートマンションです。そしてリゾマンの売却は、戸建て別荘と勘所が違います——価格を決めるのは築年数より「月々のコスト×管理状態」、滞納があると買主に法律上引き継がれてしまうため決済時精算が原則、取得費の計算では建物の減価償却が効いてくる。リゾートマンション売却ガイドで条文・計算式つきで解説しているので、熱海のマンションを売る方はまずそちらをご覧ください。
熱海ならではの利点もあります。流通量が多く、同じ棟内の成約事例で相場が読みやすいこと。相場調査の基本4ステップ(相場の調べ方参照)のうち、棟内比較が最も機能するのが熱海です。数十万円の山側物件から億超の駅前タワーまで価格レンジは極端に広いので、「熱海の相場」ではなく「この棟・この条件の相場」で考えてください。

湯河原、そして半島の港町・真鶴は、熱海と地続きながら市場の性格が違います。リゾートマンションの供給が少なく、温泉付き戸建て・眺望の別荘・古民家が主役。買い手は熱海の賑わいを避けて「静かな環境」を積極的に選ぶ層で、真鶴の石積みの港町らしさや、湯河原の落ち着いた温泉地の空気そのものが価値になります。
売却実務での違いは2つ。第一に、管理別荘地が少なく物件の個別性が大きいため、机上査定より訪問査定の重要度が高いこと(庭・眺望・建物の手入れが価格の主変数になります)。第二に、成約事例が熱海ほど厚くないため、売出価格の設定は近隣事例+実務の相場観の組み合わせになること。焦らず、売却の流れと期間で解説した価格見直しルールを先に決めておく運用が効きます。
熱海・湯河原の戸建て売却で必ず論点になるのが温泉の権利です。温泉利用権の名義変更料はいくらか、月々の温泉使用料はいくらか、源泉・引湯の契約はどうなっているか——買い手が必ず聞くこの3点に即答できるかどうかで、交渉の主導権が変わります。
温泉権は物件ごとに契約内容がまったく違い、名義変更料が数十万円単位になるケースもあれば、権利の承継自体に供給元の承諾が必要なケースもあります。売出前に温泉供給契約書を探し、供給元に承継の条件を確認しておく——これは建物準備ガイドで挙げた「即答できる状態づくり」の熱海・湯河原版で、最優先の準備項目です。
海と斜面の街である以上、水と土の話は避けて通れません。不動産取引では、水害(洪水・雨水出水・高潮)ハザードマップにおける物件所在地の説明が重要事項説明で義務化されており[4]、土砂災害警戒区域の該当有無も従来から重要事項説明の対象です。つまり契約までに必ず開示される情報であり、隠す選択肢はありません。
だからこそ、千葉の海物件と同じ結論になります——先回りで整理した売主が信頼と価格を守ります。ハザードマップ上の位置、土砂災害警戒区域の内外、擁壁や盛土の状況、過去の対策工事の記録。内見の場で「答え」を出せる物件は、買い手の不安を価格交渉の材料にさせません。
Q. 熱海の物件は「今が売り時」ですか?
A. 市場全体は追い風です。地価公示でも上昇地点が出ており、買い手の動きも活発です。ただし本文の通り二極化がはっきりしたエリアなので、「いま売るといくらか」は同じあるいは近隣エリアの直近成約と月々のコストから物件ごとに判断するのが正確です。この見極め自体が、査定でお答えする中身になります。
Q. 管理費や温泉使用料が高い物件でも、買い手はつきますか?
A. つきます。月々のコストが重い物件を敬遠する層がいる一方、大浴場や温泉を高頻度で使う買い手にとっては割安に感じる物件になりえます。コストを隠さず、内訳と使える設備をセットで提示するのが正解で、価格設定との組み合わせ方はリゾートマンション売却ガイドで解説しています。
Q. 山側の築50年の物件でも売れますか?
A. 売れます。ただし価格は「車がどこまで入るか」「眺望」「月々のコスト」などの組み合わせで決まり、低い価格帯での取引になるケースが多いのが実情です。800万円以下の物件は仲介手数料の特例で流通環境が改善しており、買取という出口もあります。
Q. 相続した熱海のマンション、相続登記がまだ済んでいません。売れますか?
A. 売却するには相続登記を先に済ませる必要があります。相続登記は2024年4月から申請が義務化されており、簡易な「相続人申告登記」だけでは売却できない点にも注意が必要です[5]。登記は司法書士と連携して売却準備と並行で進められるので、査定のご相談と同時に着手するのが最短です。
Q. 温泉権の名義変更料が高額です。売却の障害になりませんか?
A. 事前に整理すれば障害にはなりません。前提として、温泉権の名義変更料は温泉の供給元(温泉会社・温泉組合など)に支払う承継の対価で、金額は物件ごとにまったく違います——数万円の設定もあれば数十万円を超える設定もあり、これとは別に月々の温泉使用料もかかります。買い手はこの総額込みで「温泉付き」の価値を判断するため、金額が不明なままでは検討自体が止まってしまいます。
売出前にやることは3つです。第一に、温泉供給契約書を探し、供給元に「名義変更料の金額」「承継の可否と条件」「月々の使用料」を確認する。第二に、名義変更料を売主・買主のどちらが負担するかを決めて募集条件に明示する(負担区分に法律上の決まりはなく、物件ごとの取り決めになります)。第三に、金額が大きい場合は売出価格に織り込むか、条件交渉の調整弁として使う設計にしておく。ここまで用意すれば、名義変更料は「障害」ではなく単なる取引条件のひとつになります。
なお、買い手によっては温泉を引き継がず契約を終了する選択を希望するケースもあります。可否は供給契約の内容と供給元の意向次第ですが、選択肢として提示できると買い手の幅が広がります。
リゾート暮らし.comでは、熱海・湯河原・真鶴のリゾートマンション・別荘・古民家の売却相談・無料査定を承っています。温泉権の契約確認や月々のコスト整理といった「答えづくり」の段階からご一緒します。「まだ売ると決めていない」ご相談も歓迎です。
※制度・データは2026年8月時点の情報です。地価の個別地点の動向は不動産情報ライブラリから最新の公示・調査データをご確認ください。

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