
リゾコム編集部
リモートワークが普及し「二拠点生活」は今や身近な生活です。 平日は都市部で仕事、週末や休暇はリゾートで過ごすという暮らし。 二拠点生活を始めるための具体的なステップと費用感、おすすめエリアまでを解説します。

リモートワークの普及をきっかけに、平日は都市部で仕事、週末や長期休暇はリゾートで過ごすという「二拠点生活」は今や特別なものではなくなりました。
しかし、いざ始めようとすると「費用はどのくらいかかるのか」「どのエリアが現実的なのか」「何から準備すればいいのか」と疑問が尽きないもの。本記事では、二拠点生活を始めるための具体的なステップと費用感、おすすめエリアまでを解説します。

完全な移住とは異なり、生活の軸となる都心部とは別でリゾート地などに拠点を持ち、それぞれの場所を行き来しながら暮らすスタイルが二拠点生活です。
かつては「別荘を持つ=リタイア後の趣味」というイメージが強かったですが、近年ではコロナ禍を機に、30〜40代の方々がリモートワークを活用して二拠点生活を実践するケースが増えています[1]。仕事の生産性向上、家族との時間の充実、自然に触れることでのメンタルヘルスの改善など、多面的なメリットが認知されるようになりました。
第二の拠点を確保するための初期費用は、購入か賃貸かで大きく異なります。
購入の場合、物件価格に加えて諸費用がかかります。諸費用の中で最も大きな割合を占めるのが仲介手数料で、その上限は宅地建物取引業法に基づく国土交通省の告示で、物件価格に応じた3段階の料率として定められています[2]。
表1. 仲介手数料の上限料率(物件価格帯別)
| 物件価格 | 料率(税込) |
|---|---|
200万円以下 | 5.5% |
200万円超〜400万円以下 | 4.4% |
400万円超 | 3.3% |
出典:国土交通省「不動産取引に関するお知らせ」より作成
例えば1,000万円の物件であれば、
200万×5.5%+200万×4.4%+(1000万-400万)×3.3%=上限39.6万円(税込)
となります(なお、800万円以下の物件については2024年7月の法改正により、原則の料率計算を超えて最大、税込33万円まで請求できる特例が設けられています[3])。これに登録免許税・司法書士報酬・不動産取得税・印紙税などを加えると、諸費用の総額は物件価格の6〜10%程度が一般的な目安です。1,000万円の中古別荘であれば、諸費用込みで1,060万〜1,100万円程度を見込んでおきましょう。
なお、新築で別荘を建てることを検討している方は、建築費の高騰に注意が必要です。国土交通省の「建設工事費デフレーター」によると、住宅の建築工事費は2015年度比で約28%上昇しており(2024年度暫定値)、上昇基調は現在も続いています[3]。
表2. 建設工事費の推移(2015年度基準)
| 年度 | 建設総合 | 建築総合 | 住宅総合 | 木造住宅 |
|---|---|---|---|---|
2015 | 100 | 100 | 100 | 100 |
2020 | 108 | 107.7 | 107.3 | 106.9 |
2021 | 113.3 | 114.1 | 115.2 | 116 |
2022 | 120.3 | 121.2 | 122.2 | 122.4 |
2023(暫定) | 123.4 | 123.7 | 123.5 | 122.4 |
2024(暫定) | 128.9 | 128.8 | 128.0 | 126.4 |
出典:国土交通省「建設工事費デフレーター」(2015年度基準)より作成
建設資材の価格高騰に加え、建設業界の人手不足による労務費の上昇が重なっていることが主な要因です。こうした状況を踏まえると、建築コストを抑えたい方には中古別荘の購入+必要最小限のリノベーションという選択肢が現実的と言えるでしょう。
賃貸の場合は、敷金・礼金・初月家賃が初期費用となります。購入に比べて初期費用を大幅に抑えられるだけでなく、希望のエリアで実際に物件購入まで行い住みたいかどうかをはっきりと見極めることができます。
いきなり購入・賃貸に踏み切る前に、まずは候補エリアでの短期滞在を体験してみることをおすすめします。Airbnbなどの民泊サービス、マンスリー賃貸の活用が現実的な方法です。理想は春夏秋冬それぞれの季節を体験すること。夏は快適でも冬の寒さや積雪に耐えられなければ長続きしません。
一般社団法人不動産流通経営協会が2022年に実施した「複数拠点生活に関する意向調査」によると、二拠点生活実施者のサブ拠点にかかる維持費は月平均約5.4万円(年間約65万円)という結果が出ています[1]。この維持費には、賃貸の場合は家賃・管理費、購入の場合はローン返済・修繕費・管理費・固定資産税などが含まれています。 ただし、この数字はあくまで全国平均です。実際のコストは物件の種類やエリアによって大きく変わるため、以下の項目を個別に積み上げて試算することが重要です。
住居費は、購入の場合はローン返済+固定資産税+管理費、賃貸の場合は家賃が発生します。
交通費は、二拠点生活で最も見落としがちなコストです。例えば東京〜軽井沢を新幹線で毎週末往復すると、片道約6,000円×月8回で約48,000円。車の場合は高速料金+ガソリン代で月3万〜5万円程度になります(※ETCや距離により変動)。通う頻度を月2回に抑えれば、交通費は半分に削減できます。
水道光熱費は拠点ごとに基本料金がかかるため、使っていない月でも月1万〜2万円程度の上乗せを見込んでおきましょう。
交通費の削減には、JRの割引きっぷや回数券の活用、車の場合はETC休日割引などの利用も検討しましょう。
住居費については、中古別荘を購入してDIYリノベーションする方法がコスパに優れています。物件価格を抑えた中古物件に、必要最小限のリノベーションを施すことで、新築購入と比べて大幅にコストを抑えながら快適な拠点を確保できるケースも少なくありません。

二拠点生活の代名詞とも言えるエリアです。北陸新幹線で東京駅から約1時間10分という圧倒的なアクセスの良さに加え、教育環境やスーパー・病院などの生活インフラも充実しています。夏の避暑地としてだけでなく、通年で快適に暮らせる環境が整っており、子育て世代の二拠点利用も増加中です。

東海道新幹線のこだまを使えば東京駅から最短約45分。在来線でも約1時間40分で到着し、交通費を抑えたい方にも魅力的です。温暖な気候で冬の寒さ対策がほぼ不要な点も、ランニングコストの面で有利です。駅前の再開発でカフェやレストランも充実しており、利便性は年々向上しています。

東京湾アクアラインを利用すれば都心から約1.5時間。高速料金のETC割引を活用すれば交通費も抑えやすいエリアです。サーフィンや釣りなどマリンスポーツを日常的に楽しみたい方に特に人気があります。物件価格も比較的手頃で、1,000万円台から選択肢があるのも強みです。

東北自動車道で都心から約2時間半。広大な敷地の物件が多く、ガーデニングやアウトドアを思いきり楽しめる環境が魅力です。牧場、美術館、温泉など周辺の楽しみも豊富で、家族連れの二拠点生活向き。新幹線利用なら東京駅から那須塩原駅まで約1時間10分で、公共交通でのアクセスも可能です。

都心からの近さと温泉の魅力を兼ね備えたエリアです。新幹線なら東京駅から箱根湯本まで約1時間。小田急ロマンスカー利用なら新宿駅から箱根湯本まで約1時間15分。気軽に行き来する二拠点スタイルに最適です。

まず「なぜ二拠点生活をしたいのか」を明確にしましょう。自然の中で子育てしたい、趣味に没頭できる空間がほしい、将来の完全移住の準備をしたいなど、目的によって最適なエリアも物件タイプも変わります。
月々の追加コストと年間の総コストを具体的に試算します。「月何回通うか」「1回あたりの滞在日数は何日か」を決めると、交通費と光熱費の見積もりが現実的になります。
いきなり購入するのではなく、候補エリアに短期滞在してみることを強くおすすめします。自治体の移住体験住宅や、民泊・マンスリー賃貸を活用して、四季を通じた環境を体感しましょう。夏だけ快適でも、冬の厳しさに耐えられなければ長続きしません。
実際に住んでみて確信が持てたら、物件探しを本格化します。購入の場合は、インスペクションの実施、維持費の確認、将来の売却しやすさまで考慮して選びましょう。

二拠点生活を長続きさせるコツは、第二拠点にも人間関係を築くことです。自治会への参加や地元のイベントに顔を出すことで、地域に溶け込みやすくなります。困った時に助け合える関係があれば、不在時の防犯面でも安心です。

二拠点生活は、都市の利便性とリゾートの豊かさを両立できる魅力的なライフスタイルです。サブ拠点の維持費は月平均約5.4万円[1]。人気エリアの別荘地であればさらにここからさらに維持費はかかるでしょう。しかし、工夫次第では現実的なコストに収めることも可能です。 まずは候補エリアを実際に訪れその地の空気に触れることから始めてみてはいかがでしょうか。
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