
リゾコム編集部
別荘の購入申込みから重要事項説明、売買契約、決済・引渡しまでの流れを5ステップで解説。 手付金の相場や別荘特有のチェックポイント(水道・浄化槽・管理費・温泉権)、諸費用の内訳まで、購入前に知っておきたい全体像をまとめました。
【この記事を読んでわかること】

「気に入った別荘が見つかった。でも、ここからどう進めればいいの?」——物件探しの段階では情報が豊富でも、いざ購入手続きに入ると途端にわからないことだらけ、という方は少なくありません。
別荘の購入は、一般的な住宅売買と基本的な流れは同じですが、別荘ならではの注意点がいくつもあります。上下水道のインフラ事情、管理組合の有無、別荘地特有の利用ルールなど、都市部の住宅購入では意識しないポイントが多いのです。
この記事では、購入申込みから重要事項説明、売買契約、決済・引渡しまでの流れをステップごとに解説し、各段階で別荘購入者が押さえるべきポイントを整理します。
別荘購入の流れは、大きく次の5つのステップで進みます。
①購入申込み → ②重要事項説明 → ③売買契約の締結(手付金の支払い) → ④ローン本審査・決済準備 → ⑤決済・引渡し
購入申込みから引渡しまでの期間は、一般的に1.5〜3か月程度です[1]。ただし別荘の場合は、現地が遠方であることや、ローン審査に時間がかかるケースもあり、やや長めになることもあります。以下、各ステップを詳しく見ていきましょう。

気に入った物件が見つかったら、不動産会社を通じて「購入申込書(買付証明書)」を提出します。これは「この物件をこの条件で買いたい」という意思表示であり、法的な拘束力はありません。
購入申込みの段階で確認・決定しておくべきことは、希望購入価格、支払い方法(現金一括かローン利用か)、引渡し希望時期などです。別荘の場合は物件価格が比較的低いケースも多く、現金購入の方も少なくありません。
ローンを利用する場合は、購入申込みと同じタイミングで金融機関に事前審査(仮審査)を申し込むのが一般的です[2]。別荘購入では通常の住宅ローンではなくセカンドハウスローンや不動産担保ローンを利用するケースが多く、たとえば東京スター銀行のセカンドハウス・別荘ローンの場合、書類提出後1週間前後で仮審査の結果が回答されます[3]。
仮審査が通れば「融資の見込みあり」と判断でき、重要事項説明・売買契約へと進めることになります。逆に仮審査が通らなかった場合は、条件の見直しや他の金融機関への相談が必要になるため、できるだけ早い段階で申し込んでおくことが重要です。
なお、購入申込み時に数万円程度の「申込金」を預けるケースもあります。この申込金は手付金とは異なり、申込みをキャンセルした場合には全額返金されるのが一般的です。
購入申込みの前に、可能であれば現地を複数回訪問しておくことをおすすめします。季節によって印象が大きく変わるのが別荘地の特徴です。夏は快適でも、冬は積雪でアクセスが困難になるエリアもあります。また、平日と週末では周辺の雰囲気が異なる別荘地もあるため、異なるタイミングでの見学が理想的です。
参考記事(1)⬇️

購入申込みが受理され、売主との条件交渉がまとまると、次は重要事項説明です。宅地建物取引業法第35条により、売買契約の締結前に、宅地建物取引士が買主に対して物件に関する重要事項を書面で説明することが義務付けられています[4][5]。
重要事項説明書には、物件そのものに関する事項と取引条件に関する事項が記載されています。主な項目としては、登記された権利の種類・内容、都市計画法や建築基準法に基づく法令上の制限、飲用水・電気・ガスなどのインフラ整備状況、手付金の保全措置、契約解除に関する条件、契約不適合責任(旧・瑕疵担保責任)に関する取り決めなどがあります[6]。
重要事項説明では不動産や法律の専門用語が多く使われるため、一度で理解するのは難しいものです。できれば事前に重要事項説明書のコピーをもらい、疑問点を整理してから当日に臨みましょう[7]。不明な点は遠慮なく質問し、すべて納得してから売買契約に進むことが大切です。
別荘物件の重要事項説明では、都市部の住宅にはない特有のチェックポイントがあります。
上水道の供給方式——別荘地では公営水道が届いていないエリアも珍しくありません。別荘地の開発会社が井戸水を供給する「私設水道」の場合、水道料金が公営より割高になることがあります。水道加入金として数十万円が必要な別荘地もあるため、事前に確認しておきましょう[8]。
排水処理方式——別荘地では本下水が整備されていないエリアがほとんどで、個別の合併浄化槽を使用するケースが多くなります[9]。

浄化槽には法律に基づく保守点検(4か月に1回以上=年3回以上)・清掃(年1回以上)・法定検査(年1回)の義務があります。5人槽の場合、年間維持費は保守点検費(年3回)・清掃費・法定検査費・ブロワー電気代の合計で5〜10万円程度が目安ですが、金額は地域や業者によって異なるため、購入前に保守点検業者へ見積もりを取っておくことをおすすめします。[10]。
中古別荘の場合は、現在の浄化槽が「単独浄化槽」か「合併浄化槽」かも重要な確認ポイントです。平成12年の浄化槽法改正により単独処理浄化槽は新設が原則禁止されたため、故障した場合は合併浄化槽への交換(規模にもよるが概ね80〜100万円)が必要になります[11]。
管理会社・管理組合の有無と管理費——別荘地内に管理会社がある場合、道路の除草・除雪、ゴミ収集、防犯パトロールなどのサービスが提供される代わりに月額または年額の管理費が発生します。管理費の金額だけでなく、サービスの内容と範囲、管理会社の経営状況も確認しておきたいところです。
温泉権・温泉使用料——温泉付き別荘の場合は、温泉使用料(年間数万円〜)や温泉権の更新費用(10年ごとが一般的)が発生します[12]。温泉設備の維持費は別荘の維持コストに大きく影響するため、事前に把握しておきましょう。
借地権の有無——別荘地には土地が借地のケースもあります。借地の場合は毎年の借地料が発生するほか、借地権の種類(普通借地権か定期借地権か)によって将来的な権利関係が大きく異なります。
法令上の制限——別荘地は自然公園法、森林法、景観条例など独自の規制がかかっているケースがあります。増改築や建て替えの際にこれらの制限が影響する可能性があるため、将来の計画も踏まえて確認しておきましょう。

重要事項説明に納得できたら、いよいよ売買契約の締結です。売買契約書には、売買代金の支払い方法、手付金の額、引渡し時期、契約解除の条件、契約不適合責任の範囲などが記載されています。重要事項説明書と売買契約書は別の書類ですので、両者を突き合わせて最終確認を行いましょう[13]。
売買契約の締結時に、買主から売主に「手付金」を支払います。手付金の相場は物件価格の5〜10%が目安です[14]。例えば2,000万円の別荘であれば100〜200万円程度になります。売主が不動産会社(宅地建物取引業者)の場合、手付金は物件価格の20%以内と法律で上限が定められています[15]。
手付金は契約成立の証拠としての役割を持ち、民法第557条に基づく「解約手付」としての性質があります。これは、買主の都合で契約を解除する場合は手付金を放棄し、売主の都合で解除する場合は手付金の倍額を買主に返還する、という仕組みです[16]。
なお、手付金は現金で支払うのが原則です[17]。資金計画を立てる際には、手付金の準備も忘れずに考慮してください。
基本的には、認印であっても売買契約書に署名・押印した時点から売買契約の成立となり法的拘束力が生じます。不動産売買においては「仮契約」という概念は基本的に存在せず、最初の売買契約が「本契約」です[18]。売買契約書への押印〜手付金の支払いを「仮契約」としてキャンセルが可能だと認識するのは誤りです。売買契約書の内容を十分に理解したうえで押印するようにしましょう。
ローンを利用する場合は、「融資利用の特約(ローン条項)」が売買契約書に記載されているか確認しましょう。これは、ローン審査が通らなかった場合に契約を白紙解約でき、契約締結時に支払った手付金や仲介手数料なども返還される特約です[19]。
売買契約の当日に買主が用意するものとしては、手付金(現金または指定口座への事前振込み)、印鑑(認印でも可、ただしローン利用の場合は実印が必要なことも)、本人確認書類(運転免許証・マイナンバーカードなど)、収入印紙(売買金額に応じた額)などがあります。不動産会社から事前に案内がありますので、必ず確認しておきましょう。

売買契約の締結後、ローンを利用する方は金融機関の本審査に進みます。ステップ①で仮審査を通過していても、本審査ではより詳細な書類提出が求められ、審査期間は一般的に2〜4週間程度です。
別荘購入の場合は、一般的な住宅ローンではなくセカンドハウスローンやフリーローンを利用するケースが多く、金利や融資条件が異なります。金融機関によって別荘向けローンの取り扱いの有無や条件が大きく異なるため、早い段階で複数の金融機関に相談しておくことをおすすめします。
ローンを利用しない現金購入の場合でも、この期間に以下の準備を進めておきます。
残代金の準備——手付金を差し引いた残代金と、登記費用・仲介手数料などの諸費用を合わせた金額を決済日までに用意します。
登記に必要な書類の準備——所有権移転登記(不動産の所有者が変わった際、法務局の登記簿へ記録する手続き)のために、住民票、印鑑証明書などが必要です。司法書士から案内がありますので、指示に従って準備しましょう。
火災保険の検討——引渡し日から保険が有効になるよう、この段階で火災保険(必要に応じて地震保険も)の手配を進めます。別荘は住宅用とは保険料の計算方法が異なる場合があるため、保険会社に「別荘利用」であることを伝えたうえで見積もりを取りましょう。

いよいよ最終ステップです。決済・引渡しは通常、売主・買主・不動産会社の担当者・司法書士が指定された金融機関の店舗などで一堂に会して行われます。[20]。
①本人確認・書類の最終チェック——司法書士が売主・買主双方の本人確認を行い、登記に必要な書類がすべて揃っているか確認します。
②残代金の支払い——買主が売主に対して、売買代金から手付金を差し引いた残代金を支払います。ローンの場合は金融機関から融資が実行され、売主の口座に振り込まれます。
③固定資産税等の精算——固定資産税はその年の1月1日時点の所有者に課税されますが、引渡し日を基準に日割り計算で精算するのが一般的です[21]。別荘地の場合は、管理費の精算が発生するケースもあります。
④仲介手数料の支払い——不動産会社への仲介手数料の残額(契約時に半額を支払い済みの場合)を精算します。
⑤司法書士による登記手続き——所有権移転登記の申請を司法書士に委任します。登記が完了するまでは通常1〜2週間程度かかりますが、登記申請が受理された時点で実質的に所有権は移転します。
⑥鍵の受け渡し——すべての精算が完了したら、物件の鍵が買主に引き渡されます。このとき、物件の設備説明書や管理規約など、物件に関する書類一式も受け取ります。
参考記事(2)⬇️
別荘購入時には、物件価格のほかにさまざまな諸費用が発生します。一般的に購入価格の6〜10%程度が目安とされています。主な費用項目は以下のとおりです。
仲介手数料——土地・建物の合計売買価格に対して、国土交通省の告示にある上限料率を価格帯別に乗じた額が上限(詳細は参考記事(2))。
登録免許税——所有権移転登記にかかる税金で、土地と建物で税率が異なります[22]。
たとえば土地の固定資産税評価額800万円・建物200万円の別荘なら、登録免許税は土地12万円(800万円×1.5%)+建物4万円(200万円×2.0%)=合計16万円になります。
不動産取得税——取得後に一度だけ課税される地方税で、こちらも土地と建物で扱いが異なります[24]。
取得後半年〜1年ほどで都道府県から納税通知書が届きます[26]。
印紙税——売買契約書に貼付する印紙代で、売買金額によって異なります(例:1,000万円超5,000万円以下の場合、軽減措置適用で1万円)。
司法書士報酬——登記手続きを依頼する司法書士への報酬。物件の評価額や登記の内容によって異なりますが、土地・建物の所有権移転登記の場合は一般的に5万〜15万円程度です。事前に見積もりを取っておくと安心です。
固定資産税・都市計画税の精算金——引渡し日以降の日割り分を売主に支払います。
その他——別荘地によっては、水道加入金、管理組合への入会金、温泉権利金などが発生するケースがあります。
別荘は税制上の優遇措置がほぼ適用されませんが、「セカンドハウス」として認定されれば、不動産取得税の税率軽減や固定資産税の住宅用地特例など、さまざまな優遇を受けられる可能性があります[27]。セカンドハウスとして認められるには、毎月1泊2日以上の定期的な居住実態が必要であり、不動産取得後期限内に都道府県税事務所へ不動産取得税の軽減申請を行う必要があります[28]。二拠点生活を予定している方は、セカンドハウス認定の可能性を事前に確認しておくとよいでしょう。
参考記事(3)⬇️

鍵を受け取って終わり、ではありません。引渡し後に忘れずに対応しておきたいことがあります。
ライフラインの名義変更・開栓手続き——電気・ガス・水道の名義変更または新規契約を行います。別荘地の私設水道の場合は、管理会社への届出が必要なケースもあります。
近隣への挨拶——別荘地では近隣との関係性が大切です。管理事務所がある場合はまず管理事務所に挨拶し、近隣の別荘オーナーにも顔を合わせておくとよいでしょう。
浄化槽の保守点検業者への連絡——浄化槽がある場合は、保守点検業者の引き継ぎまたは新規契約が必要です。浄化槽法に基づき、年3回以上の保守点検と年1回の清掃が義務付けられています[29]。
建物の状態チェック——引渡し後、できるだけ早いタイミングで建物の状態を詳細にチェックしましょう。契約不適合責任の期間内に不具合を発見すれば、売主に修繕等を請求できる場合があります。
別荘購入の流れを改めて整理すると、次のようになります。
①購入申込み → ②重要事項説明 → ③売買契約(手付金支払い) → ④ローン審査・決済準備 → ⑤決済・引渡し
一般的な住宅購入と基本的なプロセスは同じですが、別荘特有のチェックポイント——水道・排水のインフラ事情、管理費・温泉権などの維持コスト、法令上の制限、税制面での不利——を事前に把握しておくことで、購入後に「こんなはずではなかった」という事態を防ぐことができます。
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