進化する沖縄北部エリア、地価上昇と新たな投資機会の可能性

はじめに

前回までは沖縄県の地理的な要因による北部と南部の観光産業の格差と「ジャングリア」開発が沖縄県内、特に北部にどのような好影響をもたらすのかについて考察しました。

今回はその考察の中でも以下の点について、不動産にどのような影響をもたらすのかについてもう少し踏み込んで考えてみたいと思います：

• 沖縄県北部の滞在期間の増加
• 沖縄県北部に定住する方たちの増加
• 沖縄県北部全体の所得の増加

1. 沖縄県北部の滞在期間、定住者、所得の増加の要因

観光への影響

単純に沖縄県北部に「ジャングリア」というアミューズメント施設ができることによって国内、海外問わず観光者は北部の滞在期間が否応にも増加することが予想されます。また、滞在期間が増加する＝宿泊施設、飲食店、商業施設の売り上げが増加することに繋がります。

定住者増加の連鎖

この周辺施設の売上が増加することは結果的に沖縄に定住する方たちが増加することに繋がることが予想されます。定住する方が増えれば、以下のような施設の増加が予想されます：

• 銀行ATM
• クリーニング店
• 美容室・理容室
• 医療機関
• その他日常生活に関わる施設

それだけ施設が増えればその施設で働く働き手も増加します。働き手が増加するということは北部全体の活性化、延いては所得が増加することに繋がります。

2. 上記増加から考えられる不動産への影響

2024年地価調査の結果

• 全体の地価平均：前年比4.9％上昇（全国最高）
• 住宅地の顕著な上昇：
  • 恩納村真栄田真栄田原
  • 宮古島市
• 商業地の顕著な上昇：
  • 宮古島市
  • 宜野湾市
  • 那覇市

特筆すべき動向

• 沖縄の住宅地の地価上昇率：28.9％（国内最高）
• 恩納村真栄田：全国で5番目の上昇率
• 離島部の特徴：
  • 宮古島：外資系ホテル進出による継続的な上昇
  • 石垣島・西表島：上昇傾向継続

観光客数の推移（2023年）

• 入域観光客数：約720万人
  • 2019年の過去最高（約761万人）に接近
• 外国人観光客数：約208万人
  • 2019年の過去最高（約244万人）に迫る勢い

今後の展望

住宅地、商業地として一定以上のニーズのある沖縄県への更なる影響は少なからずあることは間違いないでしょう。特に宿泊施設に関しては外資系ホテルだけでなく、一般投資家の参入余地のある民泊運用等はまだまだ需要のあるエリアではないでしょうか。

交通インフラの整備

唯一の懸念である北部の交通インフラについても、以下の動きが見られます：

• 沖縄総合事務局による整備案（2023年10月）
  • 名護市の伊差川ICから本部町を結ぶ14～15㎞の区間整備
  • 住民アンケートの実施
  • 官民一体での改善予定

まとめ

「ジャングリア」の開発は、単なるテーマパーク建設にとどまらず、沖縄北部地域の観光の在り方を大きく変える可能性を秘めています。

北部地域の特徴：

• 豊かな自然環境
• 開発ポテンシャルの高さ
• 現状では特筆すべき地価上昇なし

しかし2025年の「ジャングリア」開業後は：

• 観光客の増加
• インフラ整備
• アクセス面の改善

これらの要因により、不動産価格への更なる影響も十分に考えられ、今後最も注目するべき国内エリアの一つと言えるでしょう。

---

出典

• ジャパンエンターテイメント株式会社 プレスリリース「ジャングリア開発計画について」2024年1月発表
• 沖縄県観光統計「令和5年度沖縄県観光統計実態調査」2024年3月発表
• やんばる国立公園公式情報（2024年4月24日参照）
• 楽待不動産新聞「沖縄北部開発特集」2024年3月号
• 沖縄県「令和3年度沖縄県市町村民経済計算(沖縄県市町村民所得）」令和6年4月24日公表
• NHK沖縄「沖縄県内の地価 上昇率は全国最高 全地点分析で見えてきたのは」2024年3月19日付
• 沖縄タイムス＋プラス「沖縄・名護東道路の延伸へ国が2案　伊差川と本部を結ぶ15キロ　ジャングリアへのアクセス向上へ」2024年10月20日付
• 日経トレンディ 2024年12月号「2025年ヒット予測ベスト30」

関連キーワード：
#ジャングリア #沖縄北部開発 #やんばる観光 #テーマパーク開発 #森岡毅 #株式会社刀 #沖縄観光 #リゾート開発